(五十音順・敬称略)


岡村洋一(俳優・DJ)
私は12/14生れなので、忠臣蔵については普通の人より少々詳しいつもり。が、この新解釈はトンデもなかった。おバカ映画ですけど何か?ウチら確信犯ですけど何か? 思想に未来がなくなり世界がホラーになった今、逆に力強く清々しい。ハチャメチャもグー。新ジャンル誕生だ! 次は幕末編を!!
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「水の旅人」(93/大林宣彦監督)「スパイ・ゾルゲ」(03/篠田正浩監督)「世界の中心で、愛をさけぶ」(04/行定勲監督)「リップヴァンウィンクルの花嫁」(16/岩井俊二監督)等これまでに160本以上の映画に出演。現在、かわさきFM「岡村洋一のシネマストリート」(1999~)他を担当。オリジナル曲による音楽活動も展開している。

金子修介(映画監督)
最初からテンションMAXのノリに戸惑うのは年齢のせいかなと思いながら、歴史上の人物の名前をヒントにやりたいことをナルホドと理解して見てゆくと、アクションは見応えあり、さすがだと思う。ミュージカルナンバーがもっとあればな、と、思うのは、そこが特に楽しく見られたからであろう。
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根岸吉太郎や森田芳光の助監督を務め、『宇能鴻一郎の濡れて打つ』(1984)で監督デビュー。『1999年の夏休み』(1988)が、ニューヨーク近代美術館ニューディレクターニューフィルムに選出。『ガメラ・大怪獣空中決戦』(1995)を皮切りに平成『ガメラ』3部作が大ヒットし、怪獣映画に新風を吹き込む。『デスノート』、『デスノート the Last name』(2006)が国内のみならず香港、韓国でも大ヒットを記録した。最新作は『百合の雨音』(2022)。

金谷かほり(演出家)
新しい挑戦を、軽やかに、そしてたくさんの笑い声とともにやってのけた清水監督。舞台と映画を融合させるなんて。どうやってやるのかな?と思いきや、なんとそれが1番の魅力になっている。そしてやはり30-DELUXならではの殺陣の魅力は、映像から飛び出してきました。ブラボー!
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人気テーマパークのシニアクリエイティブディレクターとしてライブショーを全面的に監督する他、B‘z、DA PUMP、倉木麻衣などのライブショーで評価を高め、2016年7月から8月にかけて,全国5会場で開催した『ドラゴンクエスト ライブスペクタクルツアー』等を手掛ける。観客に支持される理由は、高いドラマ要素。過去に多くの演劇/ミュージカルを手掛けていることに裏打ちされている。

佐藤太(映画監督)
玩具箱をひっくり返したような映画で…いや!映画でありながら映画の枠からはみ出た…いや!スクリーンからアレコレはみ出しまくりこぼれまくり…あ!この映画が映画じゃない新たなジャンルのまくあけだったらマジヤバイ!
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2005年『インディアン・サマー』 で劇場長編映画監督デビュー。以後、AKB48総出演ドラマ『マジすか学園シリーズ』(2010~2012)はじめ、ドキュメンタリー、CM、ミュージックビデオなど多岐にわたり活躍。主な作品は、『ギャルバサラー戦国時代は圏外ですー』(2011)、『hide 50th anniversary FILM JUNK STORY』(2015)『太陽の蓋』(2016)。ライブパフォーマンスグループ『横浜少女歌劇団』の総合ディレクターも務める。

千街晶之(文芸評論家/ミステリ評論家)
歌あり踊りあり殺陣あり、コン・ゲーム的どんでん返しありの盛り沢山な展開。そもそも「どんでん返し」という言葉自体が歌舞伎に由来しているのだが、歌舞伎の世界では、史実を脚色した奔放な空想が堂々と罷り通る。その徹底した娯楽性において、『まくをおろすな!』は現代の歌舞伎である。
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週刊文春にてミステリーレビュー連載中。著書は、『怪奇幻想ミステリ150選』『水面の星座 水底の宝石』『幻視者のリアル』『読み出したら止まらない! 国内ミステリー マストリード100』『原作と映像の交叉光線 ミステリ映像の現在形』、共著は『本格ミステリ・フラッシュバック』『21世紀本格ミステリ映像大全』など。

中井美穂(フリーアナウンサー)
江戸時代のオールスターが揃って駆け抜けていく青春譚。30-DELUXが得意とする殺陣も満載で、キャストのエネルギーの高さを感じながらドラマに引き込まれていく。観客がいないと成立しない小劇場で演劇を引っ張ってきた清水監督だからできた、客席から応援したくなる参加型エンターテインメント。
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フジテレビ・アナウンサーとして多くの番組に出演。退社後は、97年から『世界陸上』(TBS)のメインキャスターを務める他、『宝塚カフェブレイク』(TOKYO MXテレビ)、『スジナシ』(TBS)、『華麗なる宝塚歌劇の世界』(時代劇専門チャンネル)など、映画・演劇、イベントの司会などで活躍。13年より読売演劇大賞の選考委員、19年NPO法人キャンサーネットジャパン理事、20年6月より新国立劇場の理事を務めている。

縄田一男(文芸評論家)
歌って踊って刀を抜いてー。後半の大チャンバラは圧巻。時代劇好きは頑迷固陋がんめいころうにならず、肩の力を抜いて観るべし。これぞ活劇なき現代に放つ反逆の狼煙のろしであり、人間讃歌だ!
Profile
昭和33年(1958年)東京都生まれ。専修大学大学院文学研究科博士課程修了。『時代小説の読みどころ』で中村星湖文学賞、『捕物帳の系譜』で大衆文学研究賞を受賞した。大衆文学研究会の会長、チャンバリストクラブの代表を歴任。著書に『武蔵』、『歴史・時代小説100選』、『ぼくらが惚れた時代小説』(山本一力、児玉清との鼎談集)、『図説 時代小説のヒーローたち』(永田哲朗との共著)、『時代小説の戦後史ー柴田錬三郎から隆慶一郎までー』などがあり、新聞雑誌で文芸評論に健筆をふるっている。

野島孝一(映画ジャーナリスト)
正統派の時代劇ファンが見たら怒り心頭に発しそう。ただ、歌ったり踊ったりの和製ミュージカルを見ていると思えば、むしろ若い人たちには、堅苦しい時代劇より楽しめるかも。チャンバラシーンを舞台上にしたり、こういう自在な変化こそ映画の魅力という見方もできるのだ。
Profile
1964年毎日新聞社入社。岡山支局、京都支局、東京本社社会部、学芸部勤務。学芸部編集委員で2001年定年退職。フリーの映画ジャーナリストで現在に至る。日本映画ペンクラブ幹事。毎日映画コンクール諮問委員、選定委員。日本映画批評家大賞代表委員。元昭和女子大学非常勤講師。現在、「エコノミストOnLine」、「試写室ぶうらぶら」をネット連載中。

伴一彦(脚本家)
苦手なタイプの映画だと思った。だって、時代劇なのに髷を結ってないし素舞台で斬り合ってるし歌ったりダンスしてるし。でも、観始めたらそれがこの映画の魅力と気づいた。由井正雪、松尾芭蕉、吉良上野介、大石内蔵助など実在の人物で遊び倒し、しっかりとしたテーマも伝える、これぞ娯楽の王道。
Profile
脚本家の石森史郎に師事し、ドラマ「探偵同盟」(1981)で脚本家デビュー。以降、シャープな社会風刺とコミカルな視点をあわせもった作風で、田村正和初のコメディ・ドラマ『うちの子にかぎって』(1984)、『パパはニュースキャスター』(1987)はじめ『デカワンコ』(2011)、『B面女子』(2020)と数々のヒットドラマを手がける。「追憶映画館 テアトル茜橋の奇跡」、「人生脚本」など小説家としても活躍。

樋口尚文(映画評論家/映画監督)
「忠臣蔵」映画とは知らずに観た『まくをおろすな!』は、異色どころではない。『柳生一族の陰謀』で柳生十兵衛が徳川家光にやってのけた、SF級のオバカなラストにも匹敵する不敬罪ギャグが「藏」のように詰まっている。何かと窮屈な当世、越岡裕貴、工藤美桜ら好漢と美女がきびきびとやりきっているのは爽快痛快であった。
Profile
映画評論家、映画監督。キネマ旬報、朝日新聞などを中心に評論を寄稿。『大島渚のすべて』『黒澤明の映画術』ほか映画評論の単著多数。2021年に刊行した編著『大島渚全映画秘蔵資料集成』(国書刊行会)は「キネマ旬報映画本大賞2021」で第一位に選出される。2013年よりYahoo!ニュースにて映画レビューコラム「樋口尚文の千夜千本」を連載。監督作品は『インターミッション』(2013)、『葬式の名人』(2019)

平辻哲也(映画ジャーナリスト)
舞台と映画、時代劇と現代劇の融合。ともすれば、トホホ作になりかねない危険な試みに製作陣は挑戦。虚実交えた新感覚エンターテイメントを作り上げた。舞台は「忠臣蔵」の江戸時代だが、描いているのは現代のテーマ。疫病、暴力に対抗できるのはエンタメだ! との強い思いを見た。
Profile
92年に新聞社に入社し、世界三大映画祭を取材。2015年に退社し、フリーに。ENCOUNTではインタビュー、コラムを担当。映画評をサンデー毎日、ぴあアプリなどに寄稿している。

毛利亘宏(脚本家/劇団「少年社中」作・演出)
小劇場のスピリットがそのまま映画になるなんて! 長年、演劇と言うフィールドで共に切磋琢磨した人間としては実に感慨深い映画でした。清水監督の溢れんばかりの情熱が観る者を物語の世界へと没入させる。細かいことは考えなくてもいい! とにかく楽しんでほしい! というサービス精神に溢れた映画。必見です!
Profile
高校時代より演劇を志し、早稲田大学演劇研究会を経て劇団少年社中を旗揚げ、主催として作・演出を手がける一方、ミュージカル「薄桜鬼」、「黒執事」、「風都探偵The STAGE」など外部公演の作・演出も務める。また、脚本家としても活躍し、2010年『仮面ライダーオーズ/000』を皮切りに、『宇宙戦隊キョウリュウジャー』、『仮面ライダージオウ』、映画『仮面ライダービヨンド・ジェネレーションズ』など、数多くの東映特撮ヒーロー作品でも脚本を担当する。